どうなってるの? バーコードとスキャナー

NCRセールス・トロニック・システム(1959年)

―メカニカルPOSシステムの出現―

セールス・トロニック・システム

次の世代で現れたのが機械式のキャッシュ・レジスターに電気式のパンチ・テープ・レジスターを連動したNCRのセールス・トロニック・システムです。レジスターの歯車の位置を読み取りそれを電機信号に変換します。電機信号に変えられたデータを紙テープ穿孔機に伝えて、パンチ・テープを作成するという方法です。

パンチテープ

紙テープ穿孔機にはプログラミング・ボードがあり、ジャンパー・ワイヤーでパンチすべきデータの取捨選択ができるように設計されていました。このパンチ・タグを読み取るタグ・リーダーを連動し、読み取ったタグのデータを紙テープに穿孔することもできました。

POSという言葉はNCRが作った!!

現在広く使われているPOS(Point Of Sales)という言葉は、実はNCRが1959年にこのセールス・トロニックを発表したときに作った造語なのです。このシステムは日本でも1963年に発表され、西武池袋店6階の実用品売り場や、三重県の衣料品スーパー・チェーンなど十数社に採用されました。

当時すでにNCRは、日本でもデータ・センターを各所に開設し、コンピューターを自社で導入できない一般小売業からの受託データ処理を行なっていました。
しかしセールス・トロニックは当時ただでさえ高価であったレジスターにさらに複雑な機構をとりつけたため非常に高額なものとなり、日本はもとより米国でも広く一般に普及するには至らず、このようなメカ・トロニックのPOSシステムは、1962年にNCRが発表したNOFシステムに取って代わることになりました。